台風前にやること|接近前・前日・直前の家庭チェックリスト

台風前に家族で避難計画と防災用品を確認する様子 水害・台風

台風が近づくと、「水や食料を買う」「窓を補強する」「ベランダを片付ける」など、やることが一気に増えます。しかし、雨風が強くなってから屋外で作業するのは危険です。

この記事の結論

  • 最初にハザードマップと避難先・避難経路を確認する
  • ベランダや庭の片付け、排水口の掃除は風雨が強まる前に終える
  • 前日までに水・食料・薬・電源・車の燃料を確保する
  • 暴風雨が始まったら外へ出ず、窓から離れて情報を確認する
  • 高齢者等避難や避難指示を待ち過ぎず、家庭の事情に応じて早めに動く

この記事では、台風の接近を知ったときから直前までに家庭で行うことを、時系列のチェックリストにして紹介します。

台風前の準備は「家を守る」より先に避難計画

台風接近の3日前から家族でハザードマップと避難計画を確認する様子
自宅の危険と避難先を確認し、家族ごとの行動を時系列で決めます。

窓やベランダの対策を始める前に、自宅がどの災害に弱いかを確認します。自治体のハザードマップで、洪水、内水氾濫、高潮、土砂災害の区域に入っているか、想定浸水深や浸水継続時間はどの程度かを見ます。

避難所の場所だけでなく、そこまでの経路に川、アンダーパス、崖、低い道路がないかも確認してください。洪水時と地震時では利用できる避難場所が異なる場合があります。

家族で決めておく5項目

  1. どの情報をきっかけに避難を始めるか
  2. どこへ避難するか
  3. どの経路を通るか
  4. 誰が子ども・高齢者・ペットを支援するか
  5. 家族が別の場所にいる場合の連絡方法と集合先

国土交通省は、台風接近時に取る行動を時系列で整理する「マイ・タイムライン」を案内しています。台風の進路や雨量は予想どおりにならないこともあるため、実際の気象情報を見て計画より早く動く余裕を持たせましょう。

線状降水帯が発生したときの水害対策と避難のタイミング

台風の3日前~前日|屋外の危険物を片付ける

台風の風が強まる前に植木鉢や物干し竿を室内へ入れる家族
屋外作業は天候が穏やかなうちに終えます。

風で飛ばされる物は、自宅の窓を割るだけでなく、近隣の人や建物を傷つける可能性があります。「重いから動かない」と思わず、屋内へ移すか確実に固定します。

ベランダ・庭で片付けるもの

  • 植木鉢、プランター、園芸用品
  • 物干し竿、ハンガー、洗濯ばさみ
  • サンダル、掃除道具、じょうろ
  • 自転車、子どもの遊具、アウトドア用品
  • ごみ箱、収納ボックス、看板
  • アンテナや外構の緩みなど、地上から安全に確認できる箇所

屋根、雨どい、高所のアンテナなどへ登る作業は、専門業者へ相談してください。台風直前に脚立や屋根へ上るのは危険です。

排水口と側溝を掃除する

ベランダの排水口や自宅敷地内の側溝に落ち葉やごみが詰まっていると、雨水があふれやすくなります。手の届く安全な範囲だけを、雨が強まる前に掃除します。道路の冠水や水位上昇が始まったあとに、側溝や用水路を見に行ってはいけません。

窓・雨戸・シャッターを確認する

雨戸やシャッターが正常に閉まるか確認し、動かしにくい場合は早めに調整します。窓の近くに割れ物や家具を置かず、カーテンやブラインドを閉めます。

窓ガラスへのテープは「割れなくする対策」ではない

テープを貼るだけで窓ガラスの強度が大きく上がるとは考えず、まず飛来物を片付け、雨戸・シャッターを閉め、窓から離れる場所を確保します。ガラス飛散防止フィルムなどは、製品の説明に従って平常時に施工してください。

前日まで|停電・断水・物流停止に備える

台風前日にスマートフォンの充電や飲料水、照明を確認する家族
停電してから困る物を、電気と水道が使えるうちに準備します。

水・食料・薬を確認する

  • 飲料・調理用水
  • 加熱しなくても食べられる食品
  • 乳幼児、高齢者、アレルギーがある人の個別食品
  • 常用薬、衛生用品、生理用品
  • 非常用トイレ、ゴミ袋、防臭袋

買い物は直前に集中しやすいため、普段からローリングストックで備えるのが基本です。最低3日分、可能であれば1週間分を目安に、家族人数で計算します。

在宅避難に必要なもの|家族人数別・7日分の備蓄リスト

防災用の水は何リットル必要?家族人数別の目安

停電前に充電する

  • スマートフォン、携帯電話
  • モバイルバッテリー
  • 充電式ランタン、懐中電灯
  • 充電式扇風機
  • ポータブル電源

スマートフォンは省電力設定にし、家族の連絡先、避難所、ハザードマップなど必要な情報を画面保存しておきます。停電時にも情報を得られるよう、乾電池式ラジオと予備電池も役立ちます。

防災用ポータブル電源と持ち運べるソーラーパネルの選び方

冷蔵庫は開閉を減らす準備をする

停電の可能性があるときは、冷凍庫に保冷剤や凍らせたペットボトルを増やし、庫内を整理します。停電後は冷気を逃がさないよう、冷蔵庫・冷凍庫の開閉をできるだけ減らしてください。

車は早めに燃料を補給し、安全な場所へ

避難に車を使う家庭では、燃料を早めに補給します。地下駐車場、低い土地、川沿いなど浸水のおそれがある場所に駐車している場合は、道路が冠水する前に安全な場所へ移します。大雨の中での移動や、冠水した道路への進入は避けてください。

車が水没したときの脱出手順と専用ハンマー

浸水が心配な家庭で行うこと

玄関、勝手口、床下換気口など低い開口部には、止水板や土のうを製品・自治体の案内に従って設置します。簡易水のうは小規模な浸水対策の補助にはなりますが、河川氾濫や急激な水位上昇を止められるものではありません。

家電、電源タップ、重要書類、薬、貴重品は可能な範囲で高い場所へ移します。浸水が迫ってから一階で作業を続けず、避難を優先してください。

簡易水のうの作り方|ゴミ袋でできる浸水対策

家庭用止水板と簡易水のうの違い・選び方

暴風雨の数時間前|家の中を最終確認する

  • 雨戸・シャッター・窓を閉め、カーテンも閉める
  • 窓から離れた部屋に居場所をつくる
  • 非常持出袋、靴、雨具を玄関付近に置く
  • スマートフォン、照明、ラジオを手元に置く
  • 浴槽や生活用水の容器を家庭の状況に応じて準備する
  • 家族の居場所と避難判断を再確認する

屋外の片付けが残っていても、風や雨が強まり始めたら中止します。「あと一つだけ」が事故につながります。

風雨が強まったら外へ出ない

台風接近中は、川、用水路、海岸、崖、地下空間、アンダーパスなどへ近づきません。ベランダの物を取り込む、雨どいを見る、車を移動するなどの作業もやめます。

窓ガラスが割れる可能性に備え、窓から離れた部屋や廊下へ移動し、靴やスリッパを履けるようにしておきます。停電した場合は、懐中電灯やLEDランタンを使い、ろうそくは避けます。

避難は「危険になってから」では遅い

台風で道路が危険になる前に家族で避難所へ向かう様子
高齢者や子どもがいる家庭は、移動できるうちに避難します。

警戒レベル3の「高齢者等避難」では、高齢者や障害のある人、乳幼児がいる家庭など、避難に時間がかかる人は避難を始めます。その他の人も必要に応じて自主的に避難します。警戒レベル4の「避難指示」では、危険な場所から全員避難です。

警戒レベル5を待たない

警戒レベル5は、すでに災害が発生または切迫している状況です。必ず発令される情報でもありません。レベル4までに危険な場所から避難してください。

避難所へ行くことだけが避難ではありません。安全な親族・知人宅、ホテルなども候補です。ただし、自宅が安全で、浸水深より高い階で過ごせ、備蓄が十分にあるなどの条件がそろう場合は、屋内安全確保が選択肢になることもあります。自治体の最新情報を優先してください。

台風前チェックリスト

3日前~前日

  • □ ハザードマップで自宅の危険を確認した
  • □ 避難先と安全な経路を決めた
  • □ ベランダ・庭の物を片付けた
  • □ 排水口と敷地内の側溝を掃除した
  • □ 雨戸・シャッターが動くか確認した
  • □ 水、食料、薬、非常用トイレを確認した
  • □ 車の燃料を補給した

前日~数時間前

  • □ スマートフォンと予備電源を満充電にした
  • □ 重要品と家電を高い場所へ移した
  • □ 窓・雨戸・カーテンを閉めた
  • □ 非常持出袋、靴、雨具を用意した
  • □ 家族で避難開始の条件を確認した
  • □ 気象情報・避難情報を確認できる状態にした

FAQ

台風対策はいつから始めればよいですか?

進路予報で影響の可能性が分かった段階から始めます。屋外作業と買い物は、遅くとも雨風が強まる前に終えてください。台風から離れた場所でも前線などの影響で早く雨が強まる場合があります。

窓に養生テープを貼れば割れませんか?

テープだけで窓ガラスが割れなくなるとは考えないでください。飛来物を屋内へ片付け、雨戸やシャッターを使い、カーテンを閉め、窓から離れることを組み合わせます。

台風前に浴槽へ水をためるべきですか?

断水時の生活用水として役立つ場合があります。ただし、小さな子どもの転落事故を防ぐため、浴室へ入れないよう管理してください。飲料水は別に清潔な容器で備蓄します。

風が強くなってからベランダを片付けてもよいですか?

やめてください。物が飛ぶ、ドアに挟まれる、転倒するなどの危険があります。作業が残っていても屋内へ移り、窓から離れてください。

避難指示が出るまで自宅にいてもよいですか?

家庭や地域の状況によります。避難に時間がかかる人は警戒レベル3で避難を始めます。急激に状況が悪化する可能性があるため、自宅の危険、家族の事情、気象情報を踏まえて早めに判断します。

まとめ|外の作業は早めに終え、避難できる状態をつくる

  • 自宅の危険と避難先を最初に確認する
  • 屋外の片付けと排水口の掃除は風雨の前に終える
  • 水・食料・薬・電源・車の燃料を前日までに準備する
  • 風雨が強まったら外へ出ず、窓から離れる
  • 警戒レベル4までに危険な場所から避難する

台風対策で最も大切なのは、家を完璧に守ろうとして避難が遅れないことです。今日のうちにハザードマップを開き、家族の避難先と「いつ出発するか」を決めておきましょう。


情報確認日:2026年9月9日

主な出典

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