結論:大雨のときは、マンションでもトイレ・浴室・洗濯機・洗面台などから水や空気が逆流する可能性があります。特に低層階や半地下、道路面より低い排水口は注意が必要です。ゴボゴボという音や水位の変化があれば、排水をいったん控え、管理会社の案内を確認し、水のうで排水口をふさぎましょう。水のうは応急対策であり、逆流を必ず防げるものではありません。
- ゴボゴボ音や便器の水位変化は、排水管内の圧力変化のサイン
- 異変がある間はトイレ・浴室・洗濯機など大量の排水を控える
- トイレ、浴室、洗濯機、洗面所の排水口に水のうを置く
- 水洗トイレを使わず、非常用トイレへ切り替える
- マンションでは自己判断で配管を分解せず、管理会社へ連絡する
大雨でマンションの排水口から逆流することはある
短時間に大量の雨が降ると、地域によっては下水道管へ雨水が集中し、管内の水位や圧力が上昇します。その影響で、建物側の排水が流れにくくなったり、排水管内の空気や水がトイレ・浴室などへ押し戻されたりする場合があります。
東京都下水道局は、豪雨時に下水道管内の水位が上昇すると、道路面より低い場所にあるトイレや風呂場などから下水が逆流する場合があると案内しています。岡崎市も、生活排水と雨水を同じ下水道管で流す合流式下水道の区域では、豪雨時にトイレなどから水が噴き出すことがあると説明しています。
ただし、マンションなら必ず逆流するわけではありません。下水道の方式、建物の高さ、排水設備、逆流防止設備、配管の詰まり、雨量などで危険性は変わります。
特に注意したい住戸と場所
| 条件 | 注意する理由 |
|---|---|
| 1階・低層階 | 公共下水道や敷地内排水管の影響を受けやすい |
| 半地下・地下住戸 | 排水口が道路面や下水道管の水位より低くなることがある |
| 地下駐車場・地下室 | 排水設備の能力を超えると浸水しやすい |
| 過去に逆流した建物 | 同じ雨量や排水条件で再発する可能性がある |
| 排水管に詰まりがある | 雨と無関係の詰まりでも逆流が起こり得る |
高層階でも、共用排水管の詰まりや設備の不具合による逆流は起こり得ます。「上の階だから絶対に安全」とは考えず、管理会社から排水制限の連絡があれば従ってください。
逆流前に現れやすいサイン
- トイレや排水口からゴボゴボ・ボコボコという音がする
- 便器内の水位が上下する
- 浴室や洗面所の排水が遅くなる
- 排水口から空気や水が吹き出す
- 下水のような臭いがする
- 近くの道路やマンホール周辺で水があふれている
これらは逆流以外に、宅内配管の詰まりなどでも起こります。雨が強い時間帯に複数の排水口で同時に異変が出た場合は、下水道側の水位上昇も疑います。
異変を感じたときにすぐ行うこと
- 水を流すのを控える:トイレ、浴室、洗濯機、食器洗い、洗面などの排水をできるだけ減らします。
- 管理会社・管理人へ連絡する:住戸番号、発生場所、音・水位・臭い、発生時刻を伝えます。
- 周囲の物を移動する:床置きの家電、マット、洗剤、収納品を高い場所へ移します。
- 排水口に水のうを置く:無理に押し込まず、排水口を上から覆います。
- 非常用トイレへ切り替える:水洗トイレへの排水を避けます。
水のうの作り方と置く場所
45L程度の丈夫なポリ袋を二重にし、水を半分程度入れて空気を抜き、口をしっかり結びます。重すぎると持ち運べず、袋が破れたときの被害も大きくなるため、無理に満杯にしないでください。
| 場所 | 置き方 |
|---|---|
| トイレ | 便器のふたを開け、便器内を覆うように置く |
| 浴室 | 床の排水口を上から覆う |
| 洗濯機 | 排水口周辺を確認し、上から覆う。ホースを無理に外さない |
| 洗面所・キッチン | 排水口を上から覆う。設備を傷めない重さにする |
水のうは、北九州市やLIXILなども紹介している簡易的な逆流抑制策です。ただし、強い水圧、袋の破損、排水設備の構造によっては防ぎきれません。
大雨中はトイレを使ってよい?
雨が降っているだけで、すべての水洗トイレを止める必要はありません。しかし、ゴボゴボ音、水位変化、排水遅延、管理会社からの使用制限がある場合は、水を流すのを控えましょう。排泄は便器に汚物袋を取り付け、凝固剤を使う非常用トイレへ切り替えます。
非常用トイレは何回分必要?家族人数別の備蓄目安もあわせて確認してください。
逆流した場合にしてはいけないこと
- 素手や裸足で汚水に触れる
- 水を流して状況を確認し続ける
- 自己判断で共用配管を分解する
- 塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜる
- 濡れたコンセントや家電に触れる
- 汚水が残ったまま室内を歩き回る
汚水が室内へ出た場合は、子どもやペットを近づけず、管理会社へ緊急連絡します。コンセントや電気設備まで濡れている場合は、感電を避け、専門家の確認前に触らないでください。
大雨が収まった後の確認
- 自治体・下水道局・管理会社から解除の案内が出ているか
- 便器や排水口の水位が正常に戻ったか
- 異臭や排水遅延が残っていないか
- 水のうの周辺から漏れていないか
雨が弱くなっても下水道管の水位がすぐ下がるとは限りません。水のうを外す際は、周囲の状況を確認し、少量の水から排水状態を確かめます。異常が続く場合は、管理会社が指定する設備業者へ相談してください。
よくある質問
マンションの上階なら逆流しませんか?
低層階より下水道側の影響は受けにくいと考えられますが、共用排水管の詰まりや設備不良による逆流は上階でも起こり得ます。
お風呂に水をためておけば逆流を防げますか?
浴槽の排水栓を閉めることと、床の排水口をふさぐことは別です。浴室床の排水口には水のうを置きます。
水のうを置けばトイレを流してもよいですか?
いいえ。異変がある間は水のうを置いたうえで排水を控え、非常用トイレを使用します。
誰に連絡すればよいですか?
マンションでは、まず管理会社・管理人・緊急連絡窓口です。道路やマンホールの異常は自治体または下水道管理者へ連絡します。
まとめ
大雨時の排水逆流は、すべてのマンションで起こるわけではありませんが、低層階や半地下では特に注意が必要です。ゴボゴボ音や水位変化を感じたら、排水を控え、管理会社へ連絡し、水のうと非常用トイレへ切り替えましょう。平常時に排水口の位置と管理会社の緊急連絡先を確認しておくことが大切です。
出典
- 東京都下水道局「浸水への備えを万全に!」
- 岡崎市「豪雨時にトイレ等から水が噴き出す現象」
- 北九州市「家庭での下水の逆流を防ぎましょう」
- LIXIL「大雨時にトイレや浴室などの排水口からの逆流を抑える方法」
記事内容の確認日:2026年9月15日
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