地震や断水で水洗トイレが使えなくなったとき、食料や水と同じくらい切実になるのがトイレです。「100回分あれば十分?」と思っても、家族の人数によっては7日もちません。
この記事の結論
非常用トイレは、1人1日5回×7日=1人35回分を目安に備えます。
- 2人家族:70回分
- 3人家族:105回分
- 4人家族:140回分
まずは最低3日分を確保し、できれば7日分まで増やしましょう。

地震直後は、トイレの水をすぐ流さない
排水管が壊れていると、汚水漏れや逆流につながるおそれがあります。特にマンションでは、管理会社や自治体などから排水設備の安全が確認されるまで、携帯トイレを使用してください。
家族人数別|非常用トイレの備蓄早見表
経済産業省は、成人の平均的な排泄回数を1日5回として、1人当たり35回分(7日分)の災害時用トイレ備蓄を案内しています。
| 家族人数 | 3日分 | 7日分 | 計算式(7日) |
|---|---|---|---|
| 1人 | 15回分 | 35回分 | 1×5×7 |
| 2人 | 30回分 | 70回分 | 2×5×7 |
| 3人 | 45回分 | 105回分 | 3×5×7 |
| 4人 | 60回分 | 140回分 | 4×5×7 |
| 5人 | 75回分 | 175回分 | 5×5×7 |
| 6人 | 90回分 | 210回分 | 6×5×7 |
※排泄回数には個人差があります。子ども、高齢者、妊娠中の人、持病がある人など、トイレ回数が多くなりやすい家族がいる場合は余裕を持たせてください。
100回セットは何人家族なら足りる?
70回必要
30回分の余裕
105回必要
5回分不足
140回必要
40回分不足
「100回入り」という数字だけで判断せず、家族人数×5回×7日で計算しましょう。たとえば3人家族なら、100回セットに追加で10~20回分を足すと余裕ができます。セットを分けて保管すると、箱の破損や保管場所の被害にも備えられます。
なぜ7日分の備蓄が必要なの?
断水が解消しても、排水設備の点検が終わるまで水洗トイレを使えない場合があります。道路や物流が被害を受ければ、携帯トイレをすぐ買い足せるとも限りません。
- 断水で便器を流せない
- 下水管・建物内の排水管が損傷している
- 停電でマンションの給水ポンプが止まる
- 店頭や通販で品切れになる
- ごみ収集が再開するまで使用済み袋を保管する
まず3日分を用意し、その後7日分へ増やす方法でも構いません。ゼロの状態を早く抜け出すことが大切です。
在宅避難の備蓄をまとめて確認在宅避難に必要なもの|家族人数別・7日分の備蓄リスト →
携帯トイレと簡易トイレの違い
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 携帯トイレ | 便袋と凝固剤を洋式便器などに取り付ける | 自宅の便器が安全に使えるとき |
| 簡易トイレ | 組み立て式の便座や箱に便袋を取り付ける | 便器が壊れたとき、車内・別室で使うとき |
在宅避難では、省スペースな携帯トイレを回数分備え、必要に応じて組み立て式の簡易便座を追加する方法が現実的です。
非常用トイレを選ぶ7つのポイント
- 必要回数:便袋・凝固剤が家族の必要数と同数以上あるか
- セット内容:便袋だけでなく凝固剤も含まれているか
- 便器への対応:自宅の便器に取り付けられる大きさか
- 凝固性能:使用量や固まるまでの時間が分かりやすいか
- 防臭性:袋の厚みや防臭袋の有無を確認できるか
- 保存期間:期限と保管条件が明記されているか
- 使いやすさ:暗い場所でも迷わない説明書になっているか
購入前の注意:「50回分」と書かれていても、便袋50枚・凝固剤50個がそろっているとは限りません。内容物の数量をそれぞれ確認してください。
携帯トイレの基本的な使い方

- 1.便器の安全を確認
便器が割れていないか確認し、可能なら便座を上げて大きな保護袋をかぶせます。 - 2.便袋を取り付ける
便座を下ろし、その上から使用する便袋をかぶせ、ずれないよう整えます。 - 3.使用して凝固剤を入れる
製品の説明書に従い、指定されたタイミングと量で凝固剤を使います。 - 4.空気を抜いて口を結ぶ
手袋を着用し、袋を破らないように外して密閉します。
製品によって、凝固剤を入れるタイミングや袋の取り付け方が異なります。実際には必ず製品の説明書を優先してください。
地震後に水洗トイレを流してはいけない理由
便器や水道が無事に見えても、床下、壁内、共用部分、道路下の排水管が壊れている可能性があります。排水すると、詰まり、逆流、下階への漏水が起きるおそれがあります。
マンションでは特に注意:自宅だけで判断せず、管理会社・管理組合・自治体などの案内を確認します。安全が分かるまでは「水が出るから流せる」と考えず、携帯トイレを使いましょう。
液状化、浸水、建物の傾き、排水口からの異音・悪臭などがある場合も使用を中止し、安全確認を優先してください。
使用済み便袋の密閉・保管・捨て方

- 使い捨て手袋を着ける
- 凝固を確認し、できるだけ空気を抜いて便袋を結ぶ
- 防臭袋や厚手の袋で二重にする
- ふた付き容器など、直射日光・雨・動物を避けられる場所で保管する
- 処理後は手指を清潔にする
捨て方は自治体の指示を優先:使用済み携帯トイレの分別や収集方法は地域と災害時の状況で異なります。平常時の区分だけで判断せず、災害後に自治体が出す案内を確認してください。
袋をトイレに流したり、中身を側溝や屋外へ捨てたりしてはいけません。収集再開まで保管できる袋と容器も、トイレ本体と一緒に準備します。
一度練習しておくと災害時に迷わない

暗い、寒い、余震が続くといった状況では、初めて説明書を読むだけでも負担になります。家族で1回分を使い、袋の大きさ、取り付け方、凝固剤の使い方、外し方を確認しておきましょう。
手袋、手指消毒、ウェットティッシュ
防臭袋、消臭剤、ふた付き容器
ヘッドライト、ランタン、予備電池
目隠し、簡易ポンチョ、音への配慮
家族に合わせて追加したい備え
- 乳幼児:おむつ、お尻拭き、使用済みおむつ用防臭袋
- 高齢者・介護が必要な人:手すり、ポータブルトイレ、介助スペース、吸水用品
- 妊娠中の人:立ち座りの負担を減らせる便座と照明
- 持病がある人:排泄回数や服薬の影響を考えて多めに確保
- ペット:人用とは別にトイレ砂、シート、処理袋を備蓄
非常用トイレ備蓄チェックリスト
- □ 家族人数×5回×7日で必要数を計算した
- □ 便袋と凝固剤が必要数以上ある
- □ 自宅の便器で使えるサイズか確認した
- □ 保存期限と保管条件を確認した
- □ 家族で1回分を使って練習した
- □ 手袋・紙・清拭用品を一緒に置いた
- □ 防臭袋とふた付き保管容器がある
- □ 夜間用の照明を用意した
- □ マンションの災害時ルールを確認した
- □ 自治体のごみ出し案内を確認できるようにした
FAQ|非常用トイレのよくある質問
非常用トイレは最低何回分必要ですか?
最低3日分なら1人15回分、できれば7日分の1人35回分を目安にします。家庭の状況に応じて余裕を加えてください。
3人家族に100回セットでは足りませんか?
7日分の計算では105回必要なので、5回分不足します。実際には個人差や予備も考え、追加分を用意すると安心です。
お風呂の残り湯で流せば携帯トイレは不要ですか?
不要にはなりません。排水管が損傷していれば、水があっても流せません。安全確認ができるまで携帯トイレを使用します。
凝固剤だけ備えれば使えますか?
便袋も必要です。便器を保護する大きな袋、排泄用の便袋、防臭袋、手袋を組み合わせると衛生的に扱いやすくなります。
使用済みの袋は可燃ごみですか?
自治体によって異なり、災害時には臨時ルールが設けられることもあります。必ず居住地の最新案内に従ってください。
まとめ|人数で計算し、使い方と保管まで準備する
- 目安は1人1日5回、7日分で35回分
- 3人家族は105回分、4人家族は140回分
- 地震後は排水設備の安全が分かるまで流さない
- 便袋・凝固剤・防臭袋・手袋をセットで用意する
- 使用済み袋の保管場所と自治体の処分ルールも確認する
- 平常時に家族で一度練習する
非常用トイレは、買って箱を置くだけでは十分ではありません。今日、家族の必要数を計算し、まず3日分、次に7日分をそろえてください。
次に確認したい備蓄防災用の水は何リットル必要?家族人数別・3日分と7日分 →
参考にした公的機関の情報
公的機関の情報確認日:2026年9月6日。災害時のトイレ使用・ごみ処理は、居住地の自治体、管理会社、管理組合などが発信する最新情報を優先してください。
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